米東時間の水曜日、米医薬大手のマーサドンは、眼科バイオテクノロジーのベンチャー企業EyeBioを30億ドルで買収し、眼科医薬関連の製品ラインを拡張すると発表した。今回の買収はEyeBio取締役会の合意を得た。米株式市場で、マーサドン株価は約0.2%下落した。
マーサドン氏はまず13億ドルの現金を支払い、その後、EyeBioのいくつかの目標の実現状況に基づいてさらに17億ドルを支払うという。取引の一環として、マーサドンはEyeBio網膜疾患薬Restoretの所有権を取得する。
（出所：マーサドン公式サイト）
これはマーサドンの最近の一連の買収における最新のものであり、スターのがん治療薬Keytrudaへの依存を減らすためでもある。
昨年、マーサドンの40%を超える収入（約250億ドル）はKeytrudaに由来しており、この免疫療法は世界で最も売れている薬物だが、米国での主要な特許は2028年に期限切れになる。
マーサドン氏は2月、今年は市場で150億ドルの取引を達成したいと述べていた。同社の最近の買収には、2023年に免疫学開発に長けたPrometheus Biosciencesを108億ドルで買収したことや、今年2月にElanco傘下のaqua事業を13億ドルで買収したことが含まれている。
マーサドン研究実験室総裁のDean Y.Li博士は、科学を主導とするビジネス発展戦略を継続して実行し、製品ラインの拡大と多様化を図り、両社の強みを組み合わせることで、EyeBioチームの網膜疾患候補薬の開発を加速させると述べた。
EyeBioは2021年8月に設立され、米国と英国で事業を展開する臨床段階の眼科会社で、眼病における医療ニーズを満たしていない多様な製品候補群の開発を目指しており、英国のベンチャー投資家Kate Binghamの支持を得ている。
RestoretはEyeBio社の主要な臨床段階薬で、滲出を特徴とする網膜疾患を治療することを目的としており、この疾患は視力を損ない、失明することもあり、下半期には中後期試験に入る予定だ。この薬は販売ピーク時に数十億ドルを稼ぐ可能性があるという。
EyeBioのDavid Guyer最高経営責任者は、「このような重要で潜在的な薬をできるだけ早くこれらの病気の患者に使用するために、研究開発を加速させるためには、モサドンと協力するのが理にかなっていると信じている」と述べた。
BMO Capital MarketsアナリストのEvan Seigerman氏は、マーサドンがEyeBioを買収することで眼科分野での影響力が高まるという研究報告書を発表した。
Seigerman氏は、この取引規模は小さいが、マーサドンがKeytruda特許が期限切れになるまで、収入基盤の多元化を実現し続ける進展に鼓舞されていると付け加えた。