新華社によると、この議長令は中国の立法機関である全人代常務委員会が同日採決で可決した人事異動に基づいて発令された。国務委員は政府高官の職務だ。
新華社通信によると、中国の秦剛元外相の国務委員職も解任された。秦剛は公衆の視野から1カ月消えた後、7月に更迭された。
中国政府は李尚福氏の後任を任命しておらず、解任の理由も公表していない。現在65歳の李尚福氏は国防部長官時代、主に軍事外交を担当し、作戦行動の指揮は担当していなかった。
李尚福氏が解任されることは、中米両国のハイレベル軍事対話を再開するための努力の障害を一掃する可能性があるが、誰が後任を任命されるかにかかっている。両国のハイレベル軍事対話はワシントンが優先的に考慮している問題だが、米国がこれまで提起してきた要求は中国政府に拒否された。李尚福氏は米国制裁の目標の一つであり、中国はこれまで、オースティン（Lloyd Austin）米国防長官との公式会合の手配を拒否する重要な要素として、彼に対する制裁を下してきた。
ウォールストリート・ジャーナル紙によると、中国当局は今年9月、李尚福氏を連行して事情聴取した。 同委員会は中国軍の指揮を担当している。約6年前、中国共産党は高級将校2人を汚職調査し、1人が自殺し、もう1人は終身刑に処せられた。
  
李尚福氏が最後に公に姿を現したのは、今年8月29日、北京で開かれた中国・アフリカ安全保障会議で演説した時だった。李尚福氏が解任されたのは、ここ数カ月で中国人民解放軍の他の高級将校が解任されたのと、秦剛元外相が突然解任されたのと似ている。
李尚福氏は中国の衛星発射基地の主任を務めていたが、2022年10月に中国共産党中央軍事委員会に加盟した。今年3月、国防長官に任命され、国務委員という高級政府職を同時に獲得した。
米当局者によると、透明性の欠如はワシントンと北京側の接触努力を阻害し、特に二国間対話が停滞している軍事事務の面では。
李尚福氏が解任されたのは、今年の解放軍上層部の一連の異常な人事異動の中で最新のものだ。このような人事異動は、中国が軍上層部の反腐敗の嵐を巻き起こしているという憶測を呼んでいる。
7月下旬、中国は新たな戦略ミサイル部隊の司令官を任命した。当時解任された司令官はこの要職に就く時間が非常に短かった。今年9月、解放軍軍事裁判所の院長は就任わずか8カ月で解任された。中国政府はこれらの変化について説明しておらず、全人代は火曜日に軍事裁判所の新院長を任命した。
中国の政治観察者によると、李尚福氏が解任されたのは、中央軍事委員会装備発展部部長を務めていた時期に関連している可能性があり、同部門は武器の研究開発と調達を担当していた。彼は2017年から2022年までこの職務を担当していた。
7月末、つまり李尚福氏が最後に公に姿を現した約1カ月前、軍事委員会装備発展部は公告を発表し、軍事装備の購入入札募集過程における規律違反の是正行動を展開しており、2017年10月以来の規律違反の購入入札募集の手がかりを公募している。
米国の李尚福制裁は、2018年に彼が主管した装備発展部がロシアから武器を調達したことを理由に、装備発展部長官時代にさかのぼることもできる。
これまでの李尚福氏の「失踪」は、他国の外交関係者や中国問題の専門家の注目を集めてきた。9月、エマニュエル駐日米大使（Rahm Emanuel）はソーシャルメディアで「習主席の内閣チームは今、アガサ・クリスティー（Agatha Christie）の小説『誰も生きていない』（And Then There Were None）のようだ」と李尚福氏の状況に疑問を呈した。李尚福氏が解任されたと情報を引用して報じた米国当局者もいるが、その情報については具体的に説明していない。
軍高官を対象とした汚職捜査は、数カ月後に公式に確認される可能性がある。
2017年夏に2人の中央軍事委員会委員が公衆の視線から消え、約3カ月後、そのうちの1人の上将張陽が自殺した後、中国共産党は彼に対する汚職調査を公表した。2018年初めになって公式にもう一人の上将房峰輝氏の捜査が確認され、2019年に後者が贈収賄罪で無期懲役判決を受けた。