10月9日(月)、ハーバード大学教授のクラウディア・ゴールディン(Claudia Goldin)がノーベル経済学賞を受賞しました。
この表彰はノーベル賞委員会自身の男女間の格差を縮めるための小さな一歩でもあります。ゴールディング氏は93人の経済賞受賞者の中で3人目の女性受賞となりました。
ゴールディング氏が200年間の女性の職場参加を調査した結果によると、経済成長が続いているにもかかわらず、女性の給与が男性に追いつくことはなく、女性のほうが高い教育を受けているにもかかわらず、格差があることがわかりました。
経済学賞委員会委員長のヤコブ・スヴェンソンは「労働市場における女性の役割を理解することは社会にとって非常に重要です。クラウディア・ゴールディングの先駆的な研究のおかげで、私たちは現在、潜在的な要因や今後解決すべき障害についてより多くのことを知ることができました」
この賞の委員会のメンバーである経済学者のランディ・ヒヤルマルソンは、ゴールディングは解決策を提示したわけではないが、彼女の研究は政策立案者が根深い問題を解決できるようにしたと述べています。
図源ノーベル賞公式ホームページ
「彼女はギャップの根源、そしてギャップが時間の経過とともにどのように変化していくのか、発展段階によってどのように変化していくのかを説明しました」。ヒヤルマルソン氏は、単一の政策では解決できないと述べた。「これは複雑な政策の問題です。最終的にこの問題を理解し、正当化することによって、私たちはより良い道を進むことができます」。
シヤルマルソンはまた、いくつかの歴史的な時期には体系的な労働市場の記録が存在せず、存在したとしても女性に関する情報が欠落しているため、ゴールディングはデータ探偵になって彼女の研究のために欠落したデータを埋めなければならなかったと述べています。彼女はファイルを掘り起こして新しいデータ源を見つけそれらを使って未知を測定しました
ゴールディングの分析によると、雇用市場における女性の役割と報酬は、広範な社会的・経済的変化に影響されるだけではありません。どのくらいの教育を受けるかといった女性の個人的な判断にもある程度依存します
シヤルマルソン氏によると、若い女性は将来の仕事を決める際、自分の母親の関与を参考にする傾向があり、どの世代も「上の世代の成功や失敗から学んでいる」という。
時代の変化に伴って見通しを評価するプロセスは、「労働市場における男女格差の変化がなぜ遅いのかを説明するのに役立つ」と述べています。
ノーベル賞の受賞に77歳のゴールディング氏は「驚きと喜びでいっぱいです」。
月曜日、ハーバード大学メディアのHarvard Gazetteとのインタビューで、ゴールディング氏は受賞の電話を受けたとき、夫とよく仕事をしている経済学教授のローレンス・カッツ氏と家で居眠りしていたと述べました。
自身の仕事を振り返り、「私たちは女性の雇用率が非常に高く、不平等がある段階に来ています。その不平等は家庭内の不平等から生じているのです」
記事によると、ゴールディング氏は1967年にコーネル大学を卒業し、シカゴ大学で博士号を取得しました。1990年にハーバード大学に入学し、女性として初めて経済学部で終身職を務めました。彼女の最新の著書『仕事と家族:女性平等の100年』は2021年に出版されます。
先週、ノーベル医学・物理学・化学・文学・平和賞の受賞者が発表されたのに続き、新たに経済学賞が発表されたということです。
経済学賞は1968年にスウェーデン中央銀行によって設立され、正式名称は「スウェーデン銀行記念アルフレッド・ノーベル経済学賞」です。これまでの経済学賞の受賞者92人のうち、女性は2人だけでした。