マイクロソフト社は、欧米の規制当局が人工知能市場の独占禁止審査を強化していることに伴い、米国オープン人工知能研究センター（OpenAI）取締役会でのオブザーバー席を放棄することを決めた。10日、複数のメディアが伝えた。
AFP通信によると、マイクロソフトは9日、OpenAIに書簡を送り、上記の決定を説明した。また、OpenAIは昨年取締役会の人事異動が発生して以来、経営管理が改善されているため、マイクロソフトの参加は必要ないと説明した。マイクロソフトはオブザーバー席を放棄し、「直ちに発効する」ことを決めた。
昨年、OpenAIのサム・オルトマン最高経営責任者の「離職と復職」騒動後、マイクロソフトはOpenAI取締役会で無投票権オブザーバーに就任したと報じられた。これまでの報道によると、マイクロソフトはオルトマンを支援し、一時的に採用したことがある。
マイクロソフトはOpenAIの主要投資先であり、2019年に双方が提携を開始して以来、OpenAIに少なくとも130億ドルを投資している。このような人事波紋の後、欧州と米国の独占禁止機関は、マイクロソフトがパートナーのOpenAIの経営決定に過度な影響を与えているかどうかを見つめ始めた。
欧州連合委員会の競争担当委員であるマーガレット・ウェストタガー氏は、人工知能分野のベンチャー企業への投資について欧州連合が厳しい審査を続けることを警告している。彼女は先月末、EUは「一部の排他的な条項が競争に悪影響を与えるかどうかを知るために、OpenAIとの協力協定に関する詳細な情報をマイクロソフトに求めている」と述べた。マイクロソフトは同時に、英国の独占禁止機関と米国連邦貿易委員会の類似調査に直面している。（李彦南）