中国海警の船が、係争中の南シナ海でフィリピンの船にわずか数フィートの距離で接近したことは、緊張が高まる戦略的水路で、中国政府がより強硬な姿勢を取り始めたことを示しています。
この事件が起きた先周水曜日、復数のフィリピン船が孤島の第二トーマス礁(中国名:仁愛礁)にある海兵隊の小部隊に補給を試みていました。中国は南シナ海の広大な海域に領有権を主張しており、この島礁も含まれています。
フィリピン沿岸警備隊は先週金曜日、沖突の新たな詳細を発表し、4隻の中国海警船と5隻の中国海上民兵船が出現し、彼らの任務を混乱させたと発表しました。マニラでは事件発生時の映像が公開され、中国海洋警察の船がフィリピン海上警備隊の船に3フィートほど接近したと伝えています。中国船はフィリピンが危険と呼ぶ操作を8回行いました
この紛争海域では非常に緊張しています中国とフィリピン、その他の国々はこの海域で互いに重なり合う領土と海洋権益を主張しています。中国海洋警察は、フィリピン海軍の乗組員を乗せた民間船や沿岸警備隊の船を含むフィリピン船団の第2トーマス礁への到着を阻止しようとすることがしばしばあります。
フィリピンの沿岸警備隊は先周、中国が係争中のサンゴの環礁に取り付けた浮遊障壁を切断したと発表しました。今年2月には中国海警隊がフィリピン船に向けて軍用レーザービームを発射し、8月には別のフィリピン船に向けて放水砲を発射しました。

中国は、フィリピン船が領有権紛争を起こしている南シナ海の島礁に補給することをしばしば阻止しようとしています。

中国船を巻き込んだ南シナ海でのこのような対立がエスカレートするリスクが浮き彫りになりました。米中関係が緊張する中、フィリピンの同盟国であるアメリカは、今回の出会いに注目しています。
フィリピン沿岸警備隊は先週金曜日、補給任務を遂行中に、中国海軍の艦艇1隻が初めてフィリピン沿岸警備隊の船舶からわずか半カイリの距離にあることを明らかにしました。フィリピンの沿岸警備隊によりますと、当時中国軍用機1機がこの地域を偵察していて、フィリピンのタスクフォースが第2トーマス礁付近に到着した時、この中国軍用機はこの地域を飛び立ったということです。
この地域における中国の大規模な存在は、安全保障アナリストが「キャベツ戦術」と呼んでいることをある程度裏付けています。この戦術は中国軍が様々な距離、様々なレベルの関与の下で段階的に推進することを意味します。中国の海警と海上民兵隊が直接中国の主権を主張している時、1隻の海軍艦艇が遠くを回っています。マニラ側は、中国のさまざまな努力にもかかわらず、前述のフィリピン船が輸送に成功したと述べています。
中国海警局は先週水曜日、フィリピンの船4隻が仁愛礁付近の海域に不法に無断で進入しようとしたと発表しました。中国はこの海域は中国に属すると主張しています。中国海警はフィリピンの船に対し、厳重な警告と「効果的な規制」を行っているとしています。
15ヵ月前に就任したフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は、南シナ海での中国の行動に反対し、ワシントンとの同盟関係を強化しています。フィリピンは声明や写真、動画で中国の行動を非難する政策をとっており、中国のいじめと認識することを明らかにしています。
この10年間、中国政府は南シナ海のパワーバランスを変えようとしてきました。中国はこの紛争海域に人工の島を作り、軍事基地にしています。中国の巨大な海洋警察と漁民の船団は、紛争地域に向かって広範囲にパトロールを行い、中国の主権主張を実行しています。フィリピンなどは資源や艦船の数では中国にはるかに及ばず、中国と互角に戦うことはできません。
フィリピンは第二トーマス礁の海兵隊への補給に大きな課題に直面しています。海兵隊員は第二次世界大戦中の錆びた艦船Sierra Madreに乗船していましたフィリピンは1999年にこの島の領有権を主張するために座礁させました。中国はこの船の存在に反対し、フィリピンが乗組員に食料、水、その他の補給を行うのを阻止しようとしました。