香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは10月23日、原題：貿易赤字を中国のせいにし、EUは相手を探してブリュッセルにいるが、EUの対中貿易赤字を文句を言うのはファッションのようだ。中国はEUが米国に次ぐ2番目の貿易パートナーであり、2022年の二国間貿易額は8473億ドルに達した。同年、中国の貿易黒字は記録的な2766億ドルに達した。ブリュッセルはこのような「貿易不均衡」を中国市場の開放不足のせいにしている。EUが巨額の貿易赤字を懸念するのは理解できるが、根本的な原因は無視されている。実際、中国の貿易黒字は市場力の相互作用の結果である。
まず、一部の原因は中国の製造業の実力にある--ヨーロッパだけでなく、世界の他の国にもそうだ。中米二国間貿易を見る限り、中国の輸出機器の競争力を信じて疑わないだろう。次に、中国の貿易黒字もEUの競争力の弱体化につながる可能性がある。商務省のデータによると、2019年から2022年にかけて、世界の他の国の対中輸出商品は35%増加したが、EUの対中輸出は3.2%増加にとどまった。そのため、EUの中国輸入に占めるシェアは13.3%から10.5%に下がった。この間、中国はEUに対する制限的な措置を取っていないため、EUの市場シェアの萎縮はEUが国際競争力を失ったことを示す可能性がある。
EUの不満に応えるため、中国側は最近、EUの一部製品の市場参入を改善するために力を入れることに同意した。しかし、赤字の背後にあるいくつかの重要な要素を解決しなければ、貿易不均衡は明らかに改善することはできない。現在、EUは中国に対してより多くの商品やサービスを輸出する努力をしており、自身の厳しい輸出規制に阻まれている。EUは巨大な両用製品と技術リストを持っており、これらの製品と技術は中国に輸出する前に承認されなければならない。その中の多くの製品技術は中国で既成の市場を持っており、これはまさにEUが競争優位を享受している場所である。そのため、EUの輸出規制は輸出部門の「クラウンパール」に損害を与え、対中輸出に打撃を与えた。しかし、ブリュッセルは貿易不均衡の原因であることさえ認めなかった。
EUはますます地政学的・価値観を商業的利益の上に置くようになっている。中国がEUの制裁にいくつかの反体制措置を取った後、欧州議会は「中欧包括投資協定」の批准を見送った。この協定は、市場参入に関するEUの関心の大部分を解決した。しかし、ブリュッセルの政治家たちは価値観やイデオロギーのために貿易を犠牲にすることが知られている。
実際、EUの地政学的ゲームと台頭している保護貿易主義は、対中貿易の輪郭を決める可能性が高い。ブリュッセルは中米競争の観点からEUを位置付けることに反対しているが、ファーウェイの5 G設備の禁止、中国への先進半導体技術の販売制限など、ワシントンに追随してきた。ワシントンの要請に応じて、EUは中国の鉄鋼企業に対する反補助金調査を発表する予定だ。EUの貿易拡大を抑制するだけだ。
EUの「リスク除去」戦略は最終的には貿易減少にもつながる。ブリュッセルが中欧間の相互依存をリスクと考えている場合、北京は同様の対応をするだろうか。同時に、保護貿易主義はヨーロッパで台頭している。ブリュッセルは中国製電気自動車に対する反補助金調査を開始し、中国側は赤裸々な保護主義行為だと考えている。調査が懲罰関税につながった場合、中国側は他に選択肢がなく、歯を食いしばって自分の利益を守るしかないだろう。このような動きは貿易衝突を激化させ、（さらに）EUがより多くの商品を中国に導入する努力を損なうだろう。
明らかに、対中貿易赤字を市場参入不足のせいにし、EUは対象を間違えた。貿易不均衡問題を解決するには、EUは経済やビジネス問題を政治化しないように、根源に注意を移し、生産性を高める必要がある。（著者Zhou Xiaoming、陳俊安訳）▲