米連邦航空局はこの日、傘下のボーイング787型「ドリーム旅客機」3機種の機長座席に問題がないかどうかを世界の航空会社に検査するよう要請し、ボーイング777-9 X型旅客機も機体部品の故障で試験飛行を一時停止した。
米連邦航空局が同日出した就航指令によると、米国内に登録されている158機や世界の他の地域の787型旅客機737機には問題がある可能性がある。ロイター通信とAFP通信によると、機長の座席が指令なしに移動した場合、航空機と自動航行システムが切断され、急速に下降し、乗客や乗員に深刻な被害を与える可能性がある。
2012年2月11日、ボーイング787型「ドリーム旅客機」がシンガポールのチャンギ空港に着陸した。新華社発(鄧智炜撮影)
今年3月11日、南米の大手航空グループ、ラタム航空の787-9型旅客機がオーストラリア・シドニーからニュージーランド・オークランドに向かう途中、技術的な問題が発生し、飛行機が急降下し、約50人が負傷した。
米連邦航空局によると、この旅客機の空中急降下の原因は機長の座席が指令なしに水平前方に移動したためだという。類似の機長と副機長の座席問題はこれまでに5件発生しており、最近6月に発生した。現在も2件の事件が調査中で、他の3件の事件はいずれも座席調節スイッチキャップの「緩み」によって引き起こされていることが分かった。
米連邦航空局はこれに基づいて、座席の反りスイッチキャップが欠けていないか、割れていないか、およびスイッチキャップアセンブリが割れていないかどうかを判定するために、各関係航空会社に30日間にわたって787-7、787-9、787-10型旅客機の機長と副機長の座席を検査するよう要請した。適航指令の要求は、確かに問題があれば、各航空会社は必要な修正措置をとるべきである。
ロイター通信によると、ボーイングとラタム航空はまだ就航命令について評価していないという。
2023年6月19日、フランス・パリ近郊のブールジェ空港で開催されたパリ航空ショーで、ボーイング777 X機が飛行ショーを行った。新華社記者高静摂
同じく19日、ボーイングは777-9 X型旅客機の試験飛行を一時停止すると発表した。理由は先週の定例修理検査で、この機種の試験飛行旅客機のエンジンと機体構造の間の部品が正常に動作していないことが分かったからだ。米連邦航空局は7月にボーイングに型式検査の承認書を発行し、ボーイングはすぐに777-9 X型旅客機の適性認証に必要な試験飛行を開始した。連邦航空局は19日、ボーイングの試験飛行中止の通報を受けたと発表した。
777 X型旅客機は777-8 Xと777-9 Xの2種類に分かれている。ボーイングによると、故障した部品は777-9 X型旅客機専用にカスタマイズされており、最近では777-9 X型旅客機3機の試験飛行も予定されていない。
米消費者新聞とビジネスチャンネル(CNBC)は、777 X型旅客機481機が2020年から納入される予定だったが、2025年に延期されたと報じた。
CNBCによると、試験飛行の一時停止が伝えられた際、今年初めのゲートプラグ脱落事故以来の「安全危機」を乗り切るために、ボーイングの新CEOケリー・オットバーグ氏ら指導部が会社を率いている。